「就職せず、ものづくりで食べていく」- ハンドレザーブランド「Kitaura」北浦耀司


P1010400

北浦耀司

滋賀県日野町出身。京都の大学に通う4年生。2014年にハンドメイドレザーアイテムブランド「Kitaura」を立ち上げ、ウェブショップや手作り市などに出店している。

 

滋賀県日野町で育ち、小学校の卒業文集では「将来は猟師」と書くほど幼い頃から狩猟は身近な存在だったという北浦耀司さん。大学3年生で自身のブランドを立ち上げ、様々な場所でハンドメイドのレザーアイテムを販売しています。今回は、そんな彼に地元への思いや作品へのこだわりを伺いました。

 

「普通に就職をしないのならどうするべきか?」これからの人生を考えた1年間の海外生活

—革製品をつくりはじめたのはいつ頃ですか。

 

北浦 小さい頃から祖父の影響でものづくりをしていて、革細工を始めたのは高校生のとき。革財布が欲しかったけど3〜4万円もするので自分でつくってみたのがきっかけです。初期費用だけで2万円もかかった割にめっちゃしょぼいものができたので、「買えばよかったな」と思いました(笑)。

 

—ハンドメイドレザー製品ブランド「Kitaura」を立ち上げたのは2014年ですが、それまで趣味でやっていたものを本格的に制作しようと思ったのはなぜですか。

 

北浦 大学2年生を終えて、1年間休学して海外をバックパッカーしていました。もともと「大人になっても旅行をしたい」「働く時間帯を選びたい」という考えから普通に就職できないという思いがあって、自分の将来をどうするか旅をしながらじっくり考えました。そこで、就職をしないなら自分で仕事をつくるしかないという結論になりました。両親と相談し、復学して1年間ものづくりを頑張って手応えがなければ就職活動をするつもりでしたが、お客様にも恵まれ、なんとか行けそうということで、今は就職活動をせず大学に通いつつ元田中にあるシェアスペースを借りて商品を制作しています。週に1回しか授業がないので、たまに制作をしていて「今日何か忘れてるな……。あ、学校や!」と、慌てて行くこともあります(笑)。

 

—「仕事にしよう」とまで心に決めた革の魅力とは何でしょうか。

 

北浦 うーん、難しいですね。もし仮に僕が大学進学で京都に来ず実家の十分な作業スペースがあれば木工をやっていたかもしれません。商品を買ってくれるお客さんがいるから続けられています。

 

—商品をどのような方に買って欲しいですか。

 

北浦 長く使ってもらえる人ですね。高校の同級生が僕の作ってあげた革のパスケースを5年くらい使っているらしく、最近それを見せてもらったときはとても嬉しかったです。ウェブにも商品を出していますが、最近は地元のマルシェやデパートでの出店も増えたので、そちらも力を入れていきたいです。

 

 

「ハンドメイドしかできないことを」

 北浦さん02

北浦さん03

(写真上)「最初はつくるのに1日かかり、指がカサカサになった」という財布も、今は6時間で完成。理想の革を見つけるのに半年かかったと言い、現在は大阪にある卸売りで仕入れている。

(写真下)人気商品のアクセサリー。北浦さんのおすすめは、緑のステッチが入ったピアス。

 

北浦 機械でできることを手縫いでしても手間がかかるだけなので、「ハンドメイドでしかできないこと」を大切にしています。例えばこの財布(写真上)だと、縁の部分や中を開いたときに見える色が交互に変わるステッチは手縫いでしかできません。ハンドメイドでしかできないことで、上品でポップでユニセックスなデザインを目指しています。デザインは、友達から「こんなものが欲しい」とオーダーを受けて自分の作風でつくることが多いです。自分が欲しいと思ったものをつくることはあまりないですね。というか、革製品をつくりすぎてこれ以上欲しいものがない(笑)。

 

「ものづくりとジビエ料理で地元を盛り上げたい」

—大学卒業後は。

 

北浦 実家のある滋賀県日野町に戻って革製品を制作します。日野町は獣害がひどい地域で、僕は狩猟免許を持っていますがまだ狩猟にでていません。

 

「ペーパーハンター」なので、実家に戻ったら獲ってさばいてみたいですね。地元に土、日曜日しか営業していないカフェがあるので、平日に借りてジビエ料理を出したいとも考えています。今制作しているシェアスペースのように、シェアすることで地元を盛り上げていけたら。

 

—出町市場Um!の意気込みを一言お願いします。

 

北浦 岡本梨奈さん(出店者)にたぬきの皮をもらって、それで商品を作る予定です。これまで牛以外の皮を扱ったことがなく、たぬきのように“ふぁさ”っとなる毛は財布に向かないので何をつくろうかなと考え中です。

 

Kitaura

HP:http://kitaura.theshop.jp

Facebookページ:「Kitaura」

インスタグラム:https://instagram.com/kitaura_/

 

(テキスト:川上ひろこ)


2015-06-03 | Posted in インタビューComments Closed 

関連記事