鹿肉料理をもっと身近に!―鹿肉入りスイーツ 細見花子


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細見 花子

京都府城陽市出身。普段は京都市内のカフェにてキッチンを担当。今年4月より美山町のシェアハウスに入居し、現在は城陽と美山の2拠点生活。

 

普段は飲食店で働きながら、狩猟免許を取得し、NPO活動などにも精力的に参加されている細見花子さん。今回出品するのは、なんと鹿肉を使ったスイーツ! その裏に秘められた、彼女の狩猟や鹿肉に対する思いを取材しました。

 

“もっと鹿肉を食べたくて……”

 

―なぜ美山に移住しようと思われたのですか?

 

細見 美山里山舎さんというNPO法人のワークショップに参加させてもらったことがきっかけです。そこでお知り合いになった方と後日たまたま再会したときに、美山でシェアハウスを始めるよという話を聞いて。美山には猟のできる環境が整っていますし、そしてなにより鹿がたくさんいるそうで、「あ、じゃあ住もうかな」って(笑)。まだ直接鹿を見かけたことはありませんが、ゆくゆくは美山で猟ができたらいいなと思っています。

 

―狩猟免許はいつごろ取得されたのですか?

 

細見 2014年の9月ですね。これから狩りをしたいと思ったときに取っておくと後々スムーズかなと思って取得しました。今はまだペーパー猟師なのですが、最近いろんな猟師さんと知り合う機会があって、自分も本格的に猟をしたいという気持ちになっています。

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「今は銃の所持許可を申請中。次の猟期からは実際に猟をしたい!」という細見さん。

 

―猟に興味を持ったきっかけは?

 

細見 鹿肉を食べて、おいしいと思ったこと! 「これ、自分で獲ったら食べ放題やな」って(笑)。もちろん獣害への問題意識も動機のひとつではあるんですが、最初のきっかけは、鹿肉をもっと食べたいと思ったことですね。

 

―今、若い猟師さんが増えていることに対してはどう思いますか?

 

細見 今すごくブームですよね! 増えていったらいいんちゃうかなと思います。「狩猟やりたい!」って純粋に思って楽しみながら猟をやる人が増えた結果、獣の数も自然と減っていく……という流れができたらいいですね。「獣害だ、駆除しなきゃ!」とただ殺していくのは嫌だなと思うんですよ。お肉が好きで食べたいから自分で獲って食べるという人が増えたら、自然と獣の数も減っていいバランスになっていくのではないかと思います。

 

“鹿肉がもっと一般的になって、普段食べる食材の選択肢のひとつになれば”

 

―細見さんと鹿肉との出会いは?

 

細見 2~3年前ですね。さっきも話した美山里山舎さんの鹿の解体ワークショップに参加したときに、初めて鹿肉を食べたんです。そのときは七輪でそのまま焼くっていうシンプルな食べ方だったんですけど、それが本当においしくて……。それから鹿肉のいろんな食べ方を試していますが、今のところやっぱり一番おいしいのは焼肉ですね(笑)。

 

―今回出品される鹿肉入りスイーツも、その試みの中のひとつなんですね!

 

細見 はい。みなさんに鹿肉のおいしさを知ってもらいたくて、その方法を日々模索しています。私の場合は自分が食べたいっていう気持ちがまずあって、そのために料理をしているという感じなんですけど(笑)。鹿肉入りのマフィンやケーキは、お菓子だったら気軽に食べられるし、こんなのがあったら面白そうだなと思って作ってみました。

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細見 こちら(写真左)がおかずケーキ。鹿肉と玉ねぎとチーズ入りの具だくさんキッシュ風です。マフィン(写真右)には、鹿肉を細かく刻んで甘辛く焼いたものを混ぜ込んでいます。スイーツなので最初は甘い味付けにしていましたが、鹿肉自体に甘い味付けがあまり合わなくて……。試行錯誤を重ねてこの味に落ち着きました。今も家族に試食をしてもらってアドバイスを受けたりしながら、改良しています!

 

―普段からこのようなイベントにも出店されているのですか?

 

細見 いえ、お店を出してみたいとは前から思っていましたが、実際に出店するのは今回が初めてです。自分が作ったお菓子を商品としてどんどん販売していきたいというわけではなくて、こういうものを紹介することで、みなさんが「鹿肉でこんなのも作れるんだ」と気付いて、いろんな鹿肉料理に挑戦するきっかけになればいいなと思っています。すぐには行動に繋がらなくても、選択肢のひとつ、記憶のストックのひとつにしてもらえれば。今回の出店を皮切りに、いろんなイベントに参加して鹿肉のことを紹介していきたいです。

 

―これからの鹿肉は一般に普及すると思いますか?

 

細見 多くの人が鹿肉に対して持っているのって、高級料亭やフランス料理のお店でよく出される「高級食材」のイメージか、猟師さんが豪快に獲ってさばく「野性的」なイメージか、大抵そのどちらかですよね。どちらにしてもハードルが高くて、その中間というか、もっとカジュアルに食べられるようなものが一般的になればいいなと思っています。

 

(テキスト:日下千夏)

 

 


2015-06-09 | Posted in インタビューComments Closed 

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